パソコンのデータバックアップや動画保存には外付けSSDがおすすめです。
写真や動画など大切なデータを安全かつ快適に保存するには、読み書きが速く、信頼性の高いストレージが欠かせません。
外付けSSDは、HDDに比べて転送速度が速く、耐衝撃性にも優れているため、パソコンのバックアップ用途にぴったりです。
しかし、外付けSSDにはさまざまな種類があり、容量や耐久性、接続方式なども多岐にわたるため、どれを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。
この記事では、データバックアップや動画保存に適した外付けSSDの選び方のポイント、おすすめの外付けSSDを紹介します。
この記事を参考に、あなたのデータを安心して保管できる最適なモデルを見つけてください。
外付けSSDのメリットとデメリット

メリット
外付けSSDのメリットは以下の5点です。
- データの転送速度が速い
- 小型・軽量で持ち運びやすい
- 耐衝撃性が高い
- 静音性に優れている
- 消費電力が少ない
それぞれについて以下に解説します。
データの転送速度が速い

外付けSSDは、HDDに比べて圧倒的にデータ転送速度が速いです。
特に大容量ファイルの移動やコピーが必要な動画編集やバックアップ作業でその差が顕著に表れます。
一般的にSSDはHDDの数倍〜数十倍の速度を持ち、作業の効率化に役立ちます。
小型・軽量で持ち運びやすい

SSDは物理的な回転ディスクが不要なため、HDDに比べて軽く、コンパクトです。
そのため、カバンやポケットにも入れやすく、モバイル用途でも便利です。
特に外でデータを持ち運びたい方には、外付けSSDは理想的な選択です。
耐衝撃性が高い

SSDは構造上、可動部品がないため、衝撃に強く、振動や落下に対しても比較的安全です。
これにより、外出先での衝撃や移動中のリスクを軽減できるため、データ保護にも役立ちます。
静音性に優れている
外付けSSDは動作中に音がほとんどしません。
HDDのようなモーターやディスクが回転しないため、図書館やオフィスなどの静かな場所でも気兼ねなく使用できます。
消費電力が少ない
SSDはHDDと比べて消費電力が少ないため、電力消費が抑えられます。
パソコンやデバイスのバッテリー消耗を軽減できるため、特にノートパソコンと組み合わせて使う場合に効果的です。
デメリット
外付けSSDのデメリットは以下の3点です。
- 価格が高め
- 容量の制限
- 書き込み回数の制限
それぞれについて以下に解説します。
価格が高め
SSDは製造コストが高いため、HDDに比べて同じ容量でも値段が高い傾向にあります。
特に大容量のSSDは高額で、コストパフォーマンスを重視する場合は選びづらい場合もあります。
容量の制限
SSDは価格面の理由から大容量モデルが少なく、TB単位の大容量ストレージを確保するにはHDDが依然として有利です。
そのため、膨大なデータを低コストで保存する場合はHDDが適している場合もあります。
書き込み回数の制限
SSDには書き込み回数に制限があるため、頻繁な書き換えには寿命が短くなる傾向があります。
動画編集や大量のデータを頻繁に入れ替える用途では、寿命が早く訪れる可能性があるため、使用頻度に応じたメンテナンスが必要です。
外付けSSDを選ぶ際の重要ポイント
転送速度で選ぶ

転送速度は、データを「どれだけ速く送れるか」を示すもので、特に外付けSSDのようにファイルを保存したり移動したりする機器ではとても重要です。
例えば、写真や動画をパソコンから外付けSSDに移すとき、転送速度が遅いとその作業に時間がかかります。
逆に、転送速度が速いとすぐに終わるので、効率よく作業ができます。
以下の例で解説します。
例1:写真や動画のバックアップ
もしスマホやカメラでたくさんの写真や動画を撮ったとき、それをまとめて外付けSSDに移したいですよね。
このとき、転送速度が速ければ、あっという間にコピーが終わります。
たとえば、転送速度が速いThunderbolt 3(40Gbps)対応のSSDを使えば、普通のUSB 3.0よりも4~8倍速くコピーが終わります。
これで大容量データでも短時間で済むので、待ち時間が少なくなります。
例2:大きなファイルを扱うとき
例えば、30GB(ギガバイト)くらいの動画を保存するとします。
USB 3.0だと、10分かかるところを、USB 3.2 Gen 2なら5分で済み、Thunderbolt 3/4ならわずか1分半程度で転送が完了します。
大きなファイルをたくさん扱う人にとって、転送速度が速いと毎回の時間が節約できて便利です。
Thunderbolt 3やUSB 3.2 Genとは?
上記の説明にもあるように、「Thunderbolt 3」や「USB 3.2 Gen」という単語が出てきます。
これらの違いを以下に解説します。
USBとThunderboltを「道路」に例えて説明します。
USBとThunderboltはどちらも「データを運ぶための道」です。
でも、この道にはいくつか違いがあります。
データを運ぶ「速さ」が違う
USBの道は速さに限界があります。
例えば、普通の「USB 3.0」だと「速い車が1本の道を走っている」イメージです。
「USB 3.0」なら「5Gbps(ギガビット毎秒)」という速さです。
「USB 3.2 Gen 2」や「USB 3.2 Gen 2×2」は、この道がもう少し広くなって、10Gbpsや20Gbpsと速くなります。
「Thunderbolt」の道はもっと広くて、よりたくさんのデータを「40Gbps」で運ぶことができます。
Thunderboltを使えば、USBの何倍ものデータを同じ時間で運べるので、大きなファイルを移動する場合もスピーディです。
外付けSSDを選ぶ際には、上述したポイントで転送速度を確認して選んでください。
USB 3.2とThunderboltの違いをまとめると以下のとおりです。
特徴 | USB 3.2 Gen 1 | USB 3.2 Gen 2 | USB 3.2 Gen 2×2 | Thunderbolt 3/4 |
最大速度 | 5Gbps | 10Gbps | 20Gbps | 40Gbps |
コスト | 比較的安価 | 比較的安価 | やや高価 | 高価 |
対応機器の数 | 多い | 多い | 少ない | 限定的(主にMacや一部のWindows PC) |
主な用途 | 日常利用、バックアップ | 大容量ファイルの転送 | 高速データ転送 | 高負荷作業(動画編集、デザイン) |
容量で選ぶ

外付けSSDの容量を選ぶ際には、使用する目的や保存するデータ量に応じて適切な容量を選ぶことが大切です。
ここでは、容量の目安や選び方について詳しく解説します。
容量の目安
容量が増えるほど価格も上がりますが、必要な容量を見極めて選べば、データ管理がより便利で効率的になります。
容量の目安は、以下を参考にしてください。
- 500GB〜1TB:日常のバックアップや軽いデータ保存
- 1TB〜2TB:動画や写真、頻繁なデータのバックアップ
- 2TB以上:大量の動画データやデザインデータの長期保管
容量を選ぶポイント
今の使用量をチェックする
現在使っているデータ量を確認しましょう。
現在のパソコンやデバイスで使っている容量を参考にすると、自分にとって十分な容量がわかりやすいです。
将来のデータ増加も考慮する
写真や動画はどんどん増えていくことが多いので、少し余裕をもたせておくと安心です。
特に動画編集や高解像度の画像を保存する場合、今後のデータ増加も見越して容量を決めると良いでしょう。
コスパを考える
SSDは、容量が増えるほど単価は下がる傾向があります。
たとえば500GBから1TBにするのに少しの価格差で済む場合もあるので、少しの追加で容量が倍増するなら、将来のために多めにするのも一つの手です。
耐衝撃性や防水性で選ぶ

外付けSSDを選ぶ際、耐衝撃性や防水性も重要なポイントです。
外付けSSDは持ち運びが多く、うっかり落としてしまったり、外出先で雨に濡れたりすることもあるため、これらの機能があると安心です。
以下に、耐衝撃性や防水性のメリットと、選ぶ際のポイントを詳しく解説します。
耐衝撃性
耐衝撃性は、外付けSSDが「落下や衝撃に強いかどうか」を示す機能です。
通常のSSDは、HDDと違って内部に可動部品がないため、衝撃には比較的強いですが、それでも大きな衝撃や落下には弱い場合があります。
耐衝撃性があると安心な理由
- 外出先での事故に対応
モバイル用途で持ち運ぶ場合、カバンからうっかり落とすこともあります。
耐衝撃性が高いSSDなら、落下の衝撃を吸収してくれるため、データが失われるリスクが低くなります。
- MIL規格対応の製品もある
一部の外付けSSDは、米軍の耐久試験規格である「MIL-STD-810G」に準拠しています。
これは、高さ約1.2メートルからの落下にも耐えられることを意味し、かなりの衝撃にも耐えられる設計です。
耐衝撃性で選ぶポイント
- 製品の仕様を確認
耐衝撃性があるSSDには、落下テストや耐衝撃テストの結果が記載されていることが多いです。
購入前にこれらの情報を確認すると、どれだけの衝撃に耐えられるかがわかります。
- ラバーコーティングや耐衝撃ケース
SSD自体が衝撃吸収素材で覆われているものや、ラバーコーティングがされている製品は、衝撃にも強く設計されています。
持ち運びが多い方には特におすすめです。
防水・防塵性
防水性と防塵性は、外付けSSDが「水やホコリからどれだけ守られているか」を示す機能です。突然の雨や、砂やホコリが多い場所での使用が多い場合、これらの機能が役立ちます。
防水・防塵性があると安心な理由
- 水の侵入による故障を防ぐ
水に濡れると電子機器は故障するリスクが高まりますが、防水性能のあるSSDなら、突然の雨や水がかかった時にも安心です。
IP規格で防水性のレベルがわかるようになっており、防水等級が高いほど水から守られます。
- ホコリや砂の侵入を防ぐ
砂やホコリが多い屋外での作業では、内部にホコリが入ると故障の原因になります。
防塵性能が高いSSDは、こうしたリスクを軽減できます。
アウトドアや工事現場など、ホコリが多い環境での使用に適しています。
防水・防塵性を選ぶポイント
- IP規格を確認
防水・防塵性能は、一般的に「IP67」や「IP55」といったIP規格で示されます。
具体的には以下になります。
IP67:防塵等級が最高レベルの「6」、防水等級が水深1メートルで30分耐えられる「7」を意味します。アウトドアや雨がかかる環境でも安心です。
IP55:ある程度の防塵・防水性能があり、小雨や少しのホコリなら問題ありませんが、完全な防水ではありません。
- 防水ポートやシーリング構造
防水SSDは、USBポートにゴムカバーが付いているなど、水やホコリが入りにくい設計になっていることが多いです。
アウトドア向けのSSDを選ぶ際は、こうしたシーリング構造もチェックしましょう。
人気メーカー別おすすめ外付けSSD
ここからは人気メーカー別におすすめの外付けSSDを紹介します。
SAMSUNG(サムスン) T7 2TB ポータブル SSD
おすすめポイント
- 圧倒的な転送速度で、データ移行もスムーズ
- コンパクトかつ軽量で持ち運びに便利
- 耐衝撃設計で安心
SAMSUNG T7 2TB ポータブルSSDは、優れた速度と高い耐久性、セキュリティ機能を備えた外付けSSDです。
USB 3.2 Gen 2対応により最大1,050MB/sの高速データ転送が可能で、大容量ファイルや動画のバックアップも短時間で完了。
サイズもコンパクトで、わずか58gの軽量設計のため持ち運びも便利です。
さらに、アルミ製の頑丈なボディと内部ショックセンサーにより、2mの落下にも耐える耐衝撃性能を実現。
外出先でもデータを安心して保存できます。
また、AES 256ビット暗号化でデータをしっかり保護できるため、万が一の紛失時でも安全です。
2TBの大容量により、高解像度の写真や動画、ビジネスデータ、クリエイティブファイルも十分に保存できるのも魅力。
ビジネスや趣味での大切なデータ管理に最適な一台です。高い信頼性と利便性を求める方におすすめの外付けSSDです。
SanDisk エクストリーム ポータブルSSD
おすすめポイント
- 超高速のデータ転送
- 高い耐久性と防水・防塵性能
- コンパクトで持ち運びに便利
SanDisk エクストリーム ポータブルSSDは、コンパクトながら優れた耐久性と高速なデータ転送性能を備え、持ち運びに便利な外付けSSDです。
USB 3.2 Gen 2対応で、最大1,050MB/sのスピードでデータを転送できるため、大容量の写真や動画もスムーズに保存できます。
さらに、IP55の防水・防塵性能を持ち、軽い雨やホコリがかかる環境でも安心。耐衝撃設計で、万が一落としてもデータが保護されるため、アウトドアや出張先でも安心して利用できます。
小型で軽量なため、バッグやポケットに収まりやすく、移動が多い方や外出先での使用にも最適です。
また、AES 256ビット暗号化によるパスワード保護機能も搭載しており、データの安全性も確保されています。
高速性、耐久性、携帯性のすべてを備えたSanDisk エクストリーム ポータブルSSDは、バックアップやクリエイティブ用途におすすめの一台です。
ウエスタンデジタル(Western Digital) ポータブルSSD My Passport SSD 1TB
おすすめポイント
- 最大1,050MB/sの高速データ転送
- 優れた耐衝撃設計でデータをしっかり保護
- コンパクトでおしゃれなデザイン
Western Digital My Passport SSD 1TBは、データ転送の速さと耐久性、デザイン性が魅力のポータブルSSDです。
USB 3.2 Gen 2対応で、最大1,050MB/sの高速転送が可能なため、大容量の写真や動画の保存やビジネスデータのバックアップもスムーズに行えます。
さらに、耐衝撃設計により、最大1.98メートルからの落下にも耐え、外出先や出張先での安心して持ち運びが可能。
手にフィットするコンパクトでおしゃれなデザインも特徴で、バッグやポケットにもすっきり収まります。
AES 256ビット暗号化によるデータ保護機能も備え、プライバシーを重視する方にも最適です。
機能性とデザイン性を兼ね備えたMy Passport SSD 1TBは、日常からビジネスまで幅広い用途でおすすめできる一台です。
外付けSSDに関するよくある質問と答え
外付けSSDの寿命と注意点は?
外付けSSDの寿命は、主にデータの書き込み回数によって決まり、一般的には5〜10年とされています。
寿命の指標である「TBW(総書き込み可能量)」が高いほど長持ちし、日常使用であれば長期間使用できます。
寿命を延ばすには、頻繁なデータの書き換えを避け、全体の20%程度の空き容量を確保することがポイントです。
また、極端な温度環境を避け、温度管理をすることも劣化防止に役立ちます。SSDは消耗品のため、定期的なバックアップを取ることでデータ消失のリスクに備えることが大切です。
外付けSSDは内蔵ストレージとして使用できますか?
外付けSSDを内蔵ストレージとして使用することは可能ですが、制約があります。
通常、外付けSSDはUSB接続であり、パソコン内部のSATAやNVMe接続に比べて速度が劣るため、特にOSをインストールして使う場合、内蔵SSDほど高速には動作しません。
また、BIOSやUEFI設定によっては、外付けドライブからの起動がサポートされていない場合もあります。
ただし、OSを入れずデータ保存用として使う分には問題なく、増設ストレージとして簡単に活用できます。
外付けSSDとクラウドストレージの違いは?
外付けSSDとクラウドストレージの違いは、主に「保存場所」と「アクセス方法」にあります。
外付けSSDは物理的なデバイスで、自分の手元にあるためデータの読み書きが高速で、大容量データでもすぐアクセスできます。
またインターネット接続が不要で、データの安全性を自分で管理できますが、紛失や故障のリスクがあります。
一方、クラウドストレージはオンライン上にデータを保存し、インターネットさえあればどこからでもアクセス可能です。
データは自動的にバックアップされ、複数のデバイス間で共有が簡単ですが、インターネット接続が必須で、大容量を長期的に利用するとコストがかかる場合があります。
外付けSSDの最適な接続方法はなんでしょう?
外付けSSDの接続方法としては、USBとThunderboltが一般的です。
USB接続は普及率が高く、USB 3.2 Gen 2では最大10Gbpsの転送速度が可能で、多くのパソコンやデバイスに対応しています。
日常のデータ保存やバックアップにはUSBで十分な速度が得られるため、コストパフォーマンスにも優れています。
一方、Thunderbolt接続は、最大40Gbpsの転送速度を提供するため、大容量ファイルや高解像度の動画編集など、プロフェッショナルな用途に適しています。
特に、速度が求められる作業をする場合はThunderboltが最適ですが、対応デバイスが限られ、やや高価です。用途に応じて最適な接続方法を選ぶと良いでしょう。
まとめ
この記事では、外付けSSDのメリット、デメリット、選び方などを解説しました。
外付けSSDは、データ転送が高速で、小型・軽量、耐衝撃性などメリットがありますが、価格が高く容量に限りがあるため、用途に応じた選択が重要です。
この記事を参考にあなたの用途に合った外付けSSDを選んでください。
最後に、このページで紹介した外付けSSDをまとめておきますので参考にしてください。