
Web会議はもはや特別なものではなく、オフィスの自席で毎日当たり前に行うものになりました。
社内の打ち合わせも、取引先との商談も、画面越しに済ませる時代です。
でも、環境が整っていないまま使い続けている方は意外と多いのではないでしょうか。
ノートパソコン内蔵のマイクそのまま、あるいは数年前に買ったワイヤレスヘッドセットをなんとなく使い続けている——。
この記事では、オフィスの自席でのWeb会議に特化したヘッドセットの選び方と、実際におすすめできる製品をご紹介します。
「周囲の音を相手に聞かせない」「自分も相手の声をクリアに聞く」「接続が途中で切れない」という3つの条件を軸に厳選しました。
もくじ
自席のWeb会議、こんな問題ありませんか?

「後ろの音がうるさくて話がよく聞こえません!」
Web会議中に相手からそう言われた経験はないでしょうか。
自分では普通に話しているつもりでも、マイクは周囲の声や物音をしっかり拾っています。
隣の席の電話、空気清浄機の音、別の誰かのWeb会議の音——それがそのまま相手に届いてしまっているのです。
Web会議が当たり前になった今、オフィスの自席で一日に何度も会議に参加するのは珍しいことではありません。
でも同時に、周りの席でも別の誰かがWeb会議をしています。
気づけばオフィスはかなりにぎやかな状態。
そんな環境で多くの人が直面するのが、こんな問題です。
- 自分の周囲の声が相手に筒抜けで聞こえている
- 周りの会議の声が邪魔でうまく集中できない
- ワイヤレスヘッドセットが会議の途中で突然切れた
特に3つ目については、経験した人は多いはずです。充電を忘れていた、Bluetoothの接続が不安定だった、電波が干渉した。会議の途中に「聞こえますか?」と何度もやり取りする羽目になった——。
この記事では、そうした悩みを解消するために、オフィスの自席でのWeb会議にこそ適したヘッドセットの選び方と具体的な製品をご紹介します。
有線・ワイヤレス両方の視点から比較しつつ、「接続が安定していて、周囲の音も拾わない」という条件を満たす製品に絞って厳選しました。
ヘッドセットを選ぶ前に知っておきたい2つの「ノイズキャンセリング」
ヘッドセットを選ぶとき、「ノイズキャンセリング搭載」という言葉をよく目にします。
ただ、この「ノイズキャンセリング」には実は2種類あります。混同したまま購入すると、「思っていたのと違う」という失敗につながるので、最初に整理しておきます。
① マイクのノイズキャンセリング(相手への送信音をクリアにする)

こちらは、自分が話す側のマイクに関する機能です。
周囲の雑音をマイクが拾わないようにする仕組みで、「単一指向性マイク」や「ノイズキャンセリングマイク」と表記されます。
オフィスで重要なのは主にこちらです。
相手に自分の声だけをクリアに届けるために不可欠な機能です。
最近では「AIノイズキャンセリング」と呼ばれる技術も普及しており、周囲の環境音をリアルタイムで解析して除去する製品も出てきました。
② スピーカーのANC(自分が聞く音から雑音を消す)

こちらは、自分が聞く側のスピーカーに関する機能です。
「アクティブノイズキャンセリング(ANC)」とも呼ばれ、逆位相の音を当てることで外部の騒音を打ち消します。
周囲の会話や空調の音を聞こえにくくしてくれます。
相手の声をクリアに聞きたいなら、こちらも大切な機能です。
2つが両方揃っているものを選ぶのが正解

オフィスの自席でのWeb会議では、マイクNC(送る側)とスピーカーANC(聞く側)の両方を搭載した製品が理想的です。
製品の仕様欄に「ノイズキャンセリングマイク搭載」「ANC搭載」の両方の記載があるか確認しましょう。
どちらか一方だけでは、片方向のストレスが残ります。
有線 vs ワイヤレス、オフィス自席ではどちらが向いている?

「ワイヤレスのほうが便利そう」と思っている方も多いと思います。
確かにワイヤレスにはメリットがあります。
でも、オフィスの自席という環境では、少し立ち止まって考えてみる価値があります。
ワイヤレスのメリットとデメリット
メリット
- ケーブルが邪魔にならない
- 席を立ってもそのまま会議に参加できる
- すっきりしたデスク周りを保てる
デメリット(オフィスでは特に注意)
- 充電を忘れると会議中に電池が切れる
- BluetoothはWi-Fiや他の機器と電波が干渉することがある
- 一部の2.4GHzワイヤレス機器も、密集したオフィス環境では安定性が落ちる場合がある
- バッテリー劣化により、使用可能時間が購入時より短くなっていく
「重要な商談の途中でヘッドセットが切れた」という経験は、ワイヤレス利用者なら一度は経験するリスクです。
有線のメリットとデメリット
メリット
- 接続が切れる心配がゼロ
- 充電不要
- USBで挿すだけで即使える(ドライバ不要の製品が多い)
- 電池劣化がないため、長期的に安定して使える
デメリット
- ケーブルが邪魔に感じることがある
- 席を大きく離れると使えない
こんな人には有線を強くすすめる
以下に当てはまる人は、有線ヘッドセットを選ぶことを強くおすすめします。
- 会議中に席を離れることはほとんどない
- 重要な商談や外部とのミーティングが多い
- 過去にワイヤレスで接続トラブルを経験したことがある
- 毎日充電を確認するのが面倒に感じる
自席での会議がメインなら、ケーブルの不便さはほとんど感じません。むしろ「接続が途切れない安心感」のほうが会議の質を上げてくれます。
オフィス自席のWeb会議で失敗しないヘッドセットの選び方 4つのポイント
① 単一指向性マイクまたはノイズキャンセリングマイクか確認する
製品スペックに「単一指向性」「ノイズキャンセリングマイク」「AIノイズキャンセル」などの表記があるか確認してください。
「全指向性(無指向性)」マイクの場合、周囲の音を360度拾ってしまうため、オフィスでの使用には向きません。
⚠️ 注意:「ノイズキャンセリング搭載」とだけ書かれている場合、それがスピーカー側(ANC)の話なのか、マイク側の話なのか分かりにくい場合があります。両方に対応しているかは詳細仕様を確認しましょう。
② 両耳タイプを選ぶ
片耳タイプは移動しながら使う場合に便利ですが、オフィスの自席での会議なら両耳タイプがおすすめです。
両耳を覆うことで、物理的に周囲の音を遮断(パッシブノイズキャンセリング)できます。相手の声に集中しやすく、会議の内容を聞き漏らしにくくなります。
③ 装着感と重さ(長時間会議でも疲れないか)
1日に何度もWeb会議がある場合、ヘッドセットは数時間装着し続けることになります。
重量の目安は150g以下が理想です。また、イヤーパッドの素材(レザー系は蒸れやすい、ファブリック系は通気性が高い)も長時間使用では影響してきます。
④ 接続方式(USB-A / USB-C / Bluetooth)
オフィスのパソコンはUSB-Aポートが多い傾向がありますが、最新のノートPCではUSB-Cのみという機種も増えています。
自分のパソコンのポートを確認してから選びましょう。変換アダプタは紛失リスクもあるため、できれば直接接続できる製品が便利です。
【有線】オフィス自席のWeb会議におすすめヘッドセット4選
接続の安定性を優先したい方向けに、有線ヘッドセットの中から厳選した4製品を紹介します。
① Jabra Evolve2 30|コスパ×ノイズキャンセルの定番
Jabra(ジャブラ)はビジネス用ヘッドセットの世界的ブランドです。Evolve2 30は、その中でも手が届きやすい価格帯のモデル。
楕円形のイヤーカップが耳を包み込み、物理的な遮音性が高いのが特徴です。
マイクには単一指向性のノイズキャンセリングを採用。会議室でも使えるレベルのマイク性能があります。
USB-AとUSB-Cの両対応バージョンがあります。
こんな人向け: 品質重視で予算1〜2万円を確保できる方
② Logicool H390r|3,000円台で十分な性能
コスパ重視なら、まずこれを選んで間違いありません。ロジクールの定番モデルで、USB接続でドライバ不要。すぐに使えます。
ノイズキャンセリングマイクを搭載しており、通常のオフィス環境であれば相手へのノイズ送信をかなり抑えられます。装着感も軽くて長時間でも疲れにくい。
「とりあえず試してみたい」という方に最適なエントリーモデルです。
こんな人向け: コストを抑えたい、初めてヘッドセットを導入する方
③ EPOS IMPACT 860|AIノイズキャンセルで最高峰の送話品質
価格帯:35,000〜45,000円前後
EPOS(エポス)のAI搭載ノイズキャンセリングは、周囲の環境を毎秒32,000回スキャンして騒音をリアルタイムで除去します。
「周囲の人も全員Web会議をしている」という極めて騒がしいオフィス環境でも、自分の声だけをクリアに届けることができます。価格は高めですが、送話品質にこだわるなら現時点で最上位クラスの選択肢です。
こんな人向け: 騒音の激しいオープンオフィスで、音質に妥協したくない方
④ サンワサプライ MM-HSU15ANC|ANC搭載でコスパよし
価格帯:8,000〜10,000円前後
国内メーカーのサンワサプライから、珍しいANC搭載のUSBヘッドセット。独自のノイズキャンセル技術「DeepOcean Technology 2.0」を採用しています。
マイク側のNC+スピーカー側のANCの両方を搭載しながらこの価格帯は、コストパフォーマンスが高い。低反発ウレタンのイヤーパッドで装着感も良好です。
こんな人向け: 1万円以内でNC・ANCの両方を備えた製品を探している方
【ワイヤレス】どうしても有線が嫌な方向けの厳選3選
「やっぱりワイヤレスがいい」という方向けに、接続安定性が高く会議での実績があるモデルを3つ紹介します。ただし、会議前の充電確認を習慣にすることが前提です。
① Jabra Evolve2 55|ロングバッテリーとANC
価格帯:40,000〜50,000円前後
ノイズキャンセリングモードで最大50時間のバッテリー持ちを誇ります(通常使用)。充電切れのリスクを最小化したいワイヤレスユーザーに最適。
Bluetooth接続ながら、独自のアンテナ設計で接続の安定性も高く評価されています。
こんな人向け: 充電管理が苦手でバッテリー持ちを最優先したい方
② Poly Voyager Focus 2|業務用で圧倒的ノイズキャンセル
価格帯:30,000〜40,000円前後
Poly(旧Plantronics)のフラッグシップモデル。マイクのノイズキャンセリング性能は業務用として最高クラスで、実際の会議の場でも高い評価を得ています。
USBドングル(レシーバー)を使うことでBluetooth接続より安定した通信が可能です。
こんな人向け: 音質・NC性能を妥協せずワイヤレスを使いたい方
③ Anker PowerConf H700|コスパ型ワイヤレス
価格帯:10,000〜13,000円前後
Anker製のノイズキャンセリング搭載Bluetoothヘッドセット。この価格帯でノイズキャンセル性能を確保しつぎおり、在宅・オフィス兼用で使いたい人に向いています。
最大40時間のバッテリー持ちも実用的。初めてワイヤレスに挑戦する方のエントリーとして適しています。
こんな人向け: 予算を抑えてワイヤレスを試したい方
よくある質問(FAQ)
Q. Bluetoothと2.4GHz接続の違いは?
Bluetoothはスマートフォンとの接続など汎用性が高い規格です。一方、2.4GHz接続はUSBドングルを使った専用接続で、電波の干渉を受けにくく安定性に優れます。オフィスのように多くの機器が電波を飛ばしている環境では、2.4GHz接続の方が途切れにくい傾向があります。
Q. 片耳タイプはオフィスの自席に向いている?
片耳タイプは周囲の音を聞きながら会話できるため、呼ばれたときにすぐ反応できる環境には向いています。ただし、周囲の騒音が入りやすく、相手の声が聞きとりにくい場面もあります。両耳タイプの方が集中しやすく、会議の質は上がります。
Q. マイクがブームアーム(口元に伸びるタイプ)と内蔵型では差がある?
ブームアームタイプの方がマイクが口に近いため、一般的に声をクリアに拾いやすいです。特にAIノイズキャンセリングが未搭載の製品では、ブームアームタイプの方が安定して高品質な送話ができます。
Q. ZoomやTeamsでそのまま使える?
USB接続のヘッドセットは基本的にドライバ不要でWindows・Macどちらでも認識されます。接続後にZoom・Teams・Google Meetなどの音声デバイス設定から選択するだけで使えます。
Q. ヘッドセットだけで完全に周囲の音は消えない?
はい、その通りです。ヘッドセットはあくまで「周囲の音を大幅に低減する」ものであり、完全にゼロにはできません。マイクNCとANCを両方備えた製品でも、突発的な大きな音は拾う場合があります。より完全な遮音を求める場合は、パーティションや個室ブースの利用も検討してみてください。
まとめ:自席でのWeb会議は「有線×ノイズキャンセルマイク」が最強
この記事のポイントをまとめます。
- ノイズキャンセリングには「マイク側」と「スピーカー側(ANC)」の2種類ある。両方備えた製品を選ぶのが理想。
- オフィスの自席でのWeb会議なら、接続の安定性から有線を強くおすすめする。
- 「とりあえず試したい」→ Logicool H390r(3,000円台)
- 「騒がしいオフィスで品質を確保したい」→ Jabra Evolve2 30 または EPOS IMPACT 860
- どうしてもワイヤレスにしたいなら → Jabra Evolve2 55 または Poly Voyager Focus 2
Web会議の質は、ヘッドセット1台で大きく変わります。「相手に声が届いているか不安」「周囲がうるさくて集中できない」という状態は、適切な機材を選ぶだけで解消できます。
毎日の会議を、もう少し快適にするための投資として、ぜひ参考にしてみてください。